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二刀流のすすめ

こんな人は二刀をやろう

 二刀流は、宮本武蔵のような体力・体格に恵まれ、なおかつ天性の才能を持った人でなければ使いこなせないというのが定説です。

 しかし、武蔵が提唱した二刀流は、誰もが自ら持つ能力を最大限に発揮できるようになるための訓練方法としての二刀流です。

 言い換えれば、「誰でも二刀の修練を積むことによって、それぞれが持つ能力を最高に発揮できるようになる」というのが、武蔵が伝えようとした「二天一流」の真意です。



【脚力・腕力・体力に自信のない人】


 二刀流は、片手で剣を扱うのだから、腕力や体力がないと出来ないものだと考えられがちです。しかし、片手で剣を扱うのに、さほど腕力は必要としません。

 居合では、全て抜き付けを片手で行います。つまり鞘から刀を一瞬に抜いて敵に斬りつけるという動作を片手で行っています。これは、体力や腕力のない高齢者や女性でも、稽古によってかなり素早い抜き付けが出来るようになります。

 また、二刀の構えは防御に優れるため、一刀の場合よりも近間に入り込んでの打突が可能です。つまり、脚力のない人にとっても、二刀であれば打突の機会が広がります。



【右手打ちのクセが直らない人】


 「右手打ちのクセを直しなさい」「右手の力を抜きなさい」などとと指導される人は多いと思います。一般に右利きの人は、どうしても右手の力に頼った打ち方をしてしまい、それが剣道の上達の妨げになっています。  実は、右手打ちの人は、単に右手の力が強いというだけではなく、左手の使い方が分からない、あるいは左手に意識がいっていないということが多いものです。

 一刀における左手の役割は「攻め」です。左手で敵の中心を攻めて、ここぞというときに右手の力を借りて打つのです。この「攻め」と「打ち」の役割を分かりやすく学ぶのが正二刀の構えです。

 正二刀で、正しい攻めと打突ができるようになると、一刀の技術は格段に進歩します。



【打ったとき左足や左腰が残る人】


 打突時に、左足の引きつけが遅れたり、左腰が残った半身姿勢になってしまう人も多いようです。これは、体幹の使い方が間違っているからです。

 しかし、一刀の場合は、両手で1本の竹刀の柄を握って打突するため、打突時に左腰が残ってしまっても、柄を握った左手が右手に引っ張られて、上半身に左腰や左足の遅れが伝わりません。  そのため、自分自身で半身打ちになっていることに気がつかないでしまっていることも多くあります。

 こういう人は、二刀を執って片手での打突を行うと、それがバランスの崩れとなって顕著に現れます。そこで、このバランスの崩れを矯正するような打突姿勢を学んでゆくと、自然に一刀の打突姿勢も良くなってきます。


【間合がうまくつかめない人】


 一刀中段同士の稽古を見ていると、互いに自分と相手の剣先にばかり注視して、その剣先の交わり具合で間合を測ろうとしている人を多く見かけます。

 しかし、彼我の間合は、剣先で測るのではなく、相対的な距離感をもって見極められるようにならなければなりません。

 大小、長さの違う2本の剣を同時に扱う二刀は、間合の見極めが非常に重要になります。二刀で間合の基本とその妙味を覚えると、一刀の間合は、格段に見極めやすくなります。



【攻めや中心の取り方がよく分からない人】


 一刀中段同士の稽古では、なかなか攻めの概念をつかむのが難しいようです。なぜなら、一刀同士では、往々にして「攻め」がなくても、脚力・腕力・瞬発力に優れた者が、偶然の打突を決めてしまうことが多いからです。 しかも、これを「攻め勝った」と勘違いしてしまい、剣道とはそういうものだと早合点してしまいます。これでは、いつまで経っても「攻め合い」を主体とした本当の剣道の醍醐味を味わうことは出来ません。

 防御の固い二刀の構えは、攻めて崩すという理合を覚えて、それを身につけなければ容易に打ち崩すことが出来ません。二刀を学ぶということは、、一刀ではなかなか覚えられない「攻め」ということの理論を基本から学び直すことでもあるのです。



【昇段審査を通らずに悩んでいる人】


 武蔵会には、二刀で全剣連の昇段審査を受けて合格した会員もおります。しかし、あえて二刀にこだわらずとも、一刀で昇段審査を受け、それで合格した人も数多くいます。

 二刀の修練をすると、これまで述べてきたように、一刀の時のクセが抜けて、左手の攻めが効いた構えで、打突の姿勢が良くなり、間合や攻めにも明るくなりますから、昇段審査の合格率も高くなります。

 特に、昇段審査になかなか受からないという場合には、その人の剣道修練の方向性が間違っていて、大きな回り道をしているという場合が多々あります。こういうときこそ、二刀という全く別の視点で自分自身の剣道を見つめ直してみることも必要です。

 二刀を始めてから、それまで行き詰まっていた自身の剣道観がとても明るくなって、剣道の稽古自体がものすごく楽しくなったという会員が大勢います。

 あなたもぜひ今日から二刀を始めてみませんか?。


二刀で学ぶ技術

 前述したように、一刀ではなかなか学べない技術、あるいは一刀では気づかなかった悪癖などが、二刀を学ぶことによって解決される場合が数多くあります。



【片手打ちと両手打ちの手の内】


 一刀剣道において、初心者と熟達者による面打ちのもっとも大きな違いを観察してみましょう。

 両者の違いは、初心者の竹刀が左手首の柄頭を支点とする大きくゆっくりとした回転運動のみを主体として振られているのに対し、熟達者の竹刀は打突の瞬間にその重心点を中心とするような小さく鋭い回転運動が加えられている点にあります。

 これが「打突の冴え」と呼ばれるもので、両手打ちにおける微妙な「手の内」の成果であると考えられます。

 しかし、一般的に行われるような最初から両手を使って打つ稽古法では、右手と左手を「テコ」のような作用で打つ方法の方が楽なものですから、この微妙な手の内の修得に時間がかかり、結果的にいつまで経っても左手を支点として右手を押し出すような打突方法、いわゆる右手打ちのクセが抜け切れません。

 武蔵会では、二刀における片手打ちで、最初から竹刀をその重心点を中心に回転をさせるような手首の作用を学び、それを右手でも左手でも同じように行えるように訓練します。そうして出来上がった左右の手を併せて1本の竹刀を持てば、それがそのまま両手打ちの正しい「手の内」につながります。

 更に、いざともなればいつでも左右片手で竹刀を扱える訳ですから、片方の手にのみ余計な力が入るということもありません。武蔵会で二刀の稽古を一年ほど続けると、一刀を持ったときの構えや打突から力みがなくなり、実に素直に打てるようになります。



【二刀の構えに現れる一刀の癖】


 二刀を構えると、その人の一刀の癖が二刀の構えに如実に現れます。

 例えば、一刀を構えたときに左手が遊んでいる人は、二刀をとって正二刀に構えると、次第に左手小刀の位置が下がってきてしまいます。また、打ち気が強く常に右手に力が入りすぎる人はだんだんと振り上げた大刀が立って来ますし、腕が疲れて長時間上段に構えていることも出来なくなってしまいます。

 打突時に左腰が残って半身になりやすい人、姿勢が崩れやすい人なども、二刀をとるとその欠点が強調されて表に現れますから、一刀の癖を知るには二刀をとってみるのが一番分かりやすいのではないかと思います。



【二刀による一刀の矯正】


 前述のような癖を持つ人が二刀をとって稽古しますと、一刀の人は実に良くその癖を矯正してくれるものです。

 例えば、左手が効いていない人は小刀の位置が下がってくるために、自分の胸や咽のあたりに大きな隙ができてしまいます。すると一刀の人はそこを狙って突いてくれます。その突きを左小刀で一生懸命防ぐことを稽古するうちに、いつでも左手を効かして攻めるコツが飲み込めてきます。

 また、右手に力が入り過ぎて竹刀が立つ人は、右の籠手を打たれ易い上、疲れて長時間竹刀を構えていられなくなるので、稽古するうちにだんだんと普段は力を抜いて打突時だけ手首を効かすコツを覚えるようになります。

 こうして構えや手の内や姿勢などを二刀で矯正して行くと、その効果が一刀に現れ、一刀の悪い癖が直ってきます。

 一般に、二刀ばかりを稽古していると、一刀の上達が遅れるばかりか一刀に悪影響すら与えかねないように思われがちですが、二天一流の理合のもとに正しい二刀の稽古を積み重ねてゆけば、必ず一刀にも良い影響を与え上達します。

 むしろ二天一流の本意は、一刀、二刀という垣根を取り払って、剣道そのものが上達するというところにあるのです。


二刀を一刀に遣う

 武蔵会における二刀繰法の基本は、「二刀を一刀に遣う」という言葉で表現されています。これは、二刀繰法の動作や心法は、そのまま一刀にも応用できることを表しています。



【二刀による切落】


 相手の出頭に、その剣先を小刀で押さえて大刀で面を打つ。これは二刀における面打ちの定法とされています。しかし二天一流の基本形は、振りかぶった両刀を同時に振り下ろすという、二刀による二箇所同時斬りです。

 つまり押さえて打つのではなく、小刀も大刀も同時に打ち、その結果小刀が相手の剣を打ち、大刀は相手の面を打つというのが二天一流の正しい理合になります。これは相手の出頭に合わせて大小二刀で行う「切落」の技であると見ることが出来ます。

 ですからこの技法は一刀における「切落」に繋がります。すなわち相手の面打ちに対して、その竹刀を切落とす作用を左手が受け持ち、同時に右手で面を打つわけです。

 一刀のみの修練では、なかなか左右の手の役割分担を学びきれないために、左手できちんと切り落とせないまま右手だけをかぶせるように打ってしまう場合が多いのですが、二刀で左右の手の働きの違いをしっかり意識しながら修練することによって、難しいとされる「切落」の技へ一歩近づくことが出来ます。



【二刀の気構えと五分の見切り】


 剣道の攻めの要諦は、攻め合いの中でどこまで我慢できるかというところにあると思います。高段者同士の立会では先に動かされてしまった方が負けると言っても過言ではないでしょう。しかし一刀のみの修練でこの攻めの要諦をつかむことはなかなかに難しいものです。

 二刀は二本の竹刀を持っています。単純に受けるということを考えれば、一刀の場合に比べて二倍の防御力を持っていると言えます。実はこのことは攻め合いの中で大きな心の余裕となります。

 高段者の厳しい攻めに対して、一刀ならば耐えきれなくなって打ちに出てしまうところを、二刀ならばもう少し耐えることが出来るのです。そしてこのわずかな耐えが一刀では難しかったぎりぎりの見切りを可能にしてくれます。いわゆる五分の見切りの感覚です。

 一刀をとってもこの感覚は活かされ、強い攻めに対してもぎりぎりまで我慢して攻めを見切る精神力が培われるようになります。



【自在の剣】


 正二刀・逆二刀を修練することによって、一刀中段のみならず、様々な片手技、あるいは諸手での右上段・左上段など、一刀のあらゆる構え・技を使いこなすことが出来るようになります。

 いわゆる武器や構えなど、一切にこだわらない自在の剣が身につき、これこそが二天一流が求める境地であると言えます。



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